謝謝! 謝謝! 多謝! 親切にされたら当然するべき感謝の言葉。台湾の人たちが東日本大震災のために寄付した金額は100億円を超えているものの、日本政府は台湾の新聞にお礼広告を掲載していない。

他国の新聞には掲載しているものの、想像をはるかに上回る金額を寄付してくれた台湾の新聞には、正式にお礼の言葉を掲載していないのだ。そこで「親切にされたら御礼をするのは常識なのでは?」と思った日本人女性デザイナー・木坂麻衣子さんが『謝謝台湾計画』を計画。

台湾の新聞にお礼広告を掲載するため、Twitterやブログで広く支援を求めた。すると、たった数日で19,245,494円(約2000万円が)集まり、現在はお礼広告を載せるための準備が着々と進んでいるという。支援金の募集が締め切られた4月26日の翌日、取材班は木坂さんにインタビューを行った。
 

・『謝謝台湾計画』をはじめたきっかけ
記者 はじめて『謝謝台湾計画』を知る方のために、この計画の内容を教えてください。
木坂 これは、今回の東日本震災で多大な義援金と支援をしてくれた台湾のみなさんに、日本人の感謝の気持ちを伝えるため、台湾の新聞にお礼広告を出そうという計画です。
記者 日本政府は正式に台湾の新聞にお礼広告を出していないんですよね。他国には出しておきながら。
木坂 新聞広告は出してませんね。お礼状は首相から出しましたけど。
記者 そこで今回、木坂さん個人が新聞広告を出そうと計画したわけですね
木坂 そうですね。4月11日に『謝謝台湾計画』の内容をTwitterでつぶやきました。
 
・台湾への感謝の気持ち19,245,494円が集まる
記者 お金を集める手段は?
木坂 ネットで呼びかけて有志で募金あつめて出そうと思いました。
記者 集まると思いましたか?
木坂 いや、最初は100万も無理かもなーと思ってました(笑)。無名のフリーランスの人間の企画に募金するのは抵抗ありますもん。私だって、募金する側ならちょっと考えますね。
記者 4月26日の振込み分で、支援金募集を締め切ったと聞きました。最終的にいくらになりましたか?
木坂 26日分までで、累計19,245,494円ですね。約2000万円というところです。
記者 すごい金額ですね。ここまで集まると思ってましたか?
木坂 いやいやいや。まっっっったく思ってませんでした。
 
・19,245,494円の使い道とは?
記者 『謝謝台湾計画』の公式ブログに詳細が書いてあると思いますが、この金額の使い道を教えてください。
木坂 台湾の新聞『聯合報』と『自由時報』の2紙への広告掲載料として約238万円を使い、その余剰金は全額、被災地への義援金として日本赤十字社を通じて寄付させていただきます。
記者 今回、木坂さんは完全にボランティアですよね。
木坂 はい、完全にボランティアです。収入も手数料もとってません。とったらアウト(笑)。
 
・木坂さんの心を動かした理由
記者 無給なのにここまで木坂さんを動かした理由は、いったいどんなものなのでしょうか? 以前のインタビュー で木坂さんは、台湾に行ったことがないし、深い縁があるわけでもないと言ってましたが……。
木坂 助けてもらったら、きちんとお礼が言いたいな、というだけです。動機が単純すぎてすみません。こういう大変な時 だからこそ、きちんとお礼を言える国でありたいなと思いました。あと賛同してくれる方がとても多かったので、「これだけお礼言いたい人が多いならきちんと やらないと」と思いました。
記者 本来は、日本政府がやるべきことを木坂さんや支援してくれた人たちがやったということですね?
木坂 政府がやる「べき」なのかどうかはさておき、普通は助けてくれたらお礼をいうのが当たり前だと思うんですよね。
記者 なるほど。人として当然のことをしていなかったので、それをしただけということですね。
木坂 個人間でも転んで手当してもらったらお礼言うじゃないですか? それが今回は超大人数 と 大人数の間で行われるだけなんです。政治は政治でいろいろあるんでしょうから、「やるべき」や「やらないべき」などの判断をして粛々とやっていけばいいと 思います。「民間はやりたいからやる」です。
 
・支援者と台湾の人たちへのコメント
記者 木坂さんご本人は台湾に行く計画はありますか?
木坂 はい。今、計画中です。台湾のかき氷食べに行くんです。おススメしてくれる人がすごく多かったし。
記者 支援してくれた人たちにコメントをお願いします。
木坂 無名のフリーランスの人間の企画に賛同し、信用してくれたことは本当に本当に嬉しいです。たぶん今までの人生で一度に6000人もの人に信頼されて何かを託されたことなんてなかったですから。
記者 この記事は台湾の人たちも読んでいると思います。コメントを一言お願いします。
木坂 非常感謝台湾! これからも仲良しでいましょうね。
記者 本日はありがとうございました。多謝!

参照元: 謝謝台湾計画